「士郎(Fate)」のSS・二次小説まとめ15選！名作・人気作からおすすめ作品を厳選しました。

「ジブリの最高傑作はナウシカに決まってるじゃない。何言ってるのよまったく」 　 「いーや、もののけ姫だね。お前こそ何言ってるんだよ遠坂。見る目ないんじゃないの？」 　 「いーえ！　トトロです遠坂せんぱい！　トトロなんです！ 　いくら遠坂せんぱいや兄さんとはいえ、これは譲れないんです！」

月が冴える。風が鋭い。 　星明りがひそやかに。街灯りが平穏に。 　 　ここは冬木市、深山町。夜の帳はとうに落ち、人々は眠りの中へと沈む刻。 　この町は閑静な住宅街だ。その夜には、静寂こそがふさわしい。 　 　しかし、それも今夜までのこと。 　これより先、人々に安眠は訪れない。 　 　聖杯戦争が、始まったからだ。

──現代から遡ること、四千年以上前の話。 　 　人類はこの時、黎明期を迎えていた。 　地球を支配していた神々。地上を跋扈していた魔獣。宇宙を運営していた法則。それまで星を形作っていたものは、次々と姿を消し、生まれ変わっていった。 　それらに代わって地上を統べたのは、人間たちだった。文明が生まれ、進み、新たな法則が星を支配していく。

最初は、ただただ楽しかった。 　凛のいたずらに士郎が振り回され、自分の感情というものをあまり見せない士郎が、少しずつ変わっていく。士郎をからかいつつも愛情を注ぐ凛の姿は、花の盛りという表現が相応しい。士郎と凛の道行きを見守れる自分の境遇が、どれほど恵まれていることか。セイバーは、あれほどの憎しみを覚えた切嗣に、今では感謝さえしていた。

切嗣が「水族館に行かないか」と言ったから、ほとんど反射みたいに「ぜったい行く」と答えた。思い出しても、おそろしく食い気味な返事だったと思う。そんな反応を予想していなかったらしい彼が、一瞬だけ狼狽したように目を見開いて、それから照れるようにちいさく笑ったのをよく覚えている。

じっとりと背中が濡れている感覚で目が覚めた。夜にもかかわらず蒸し暑い空気に、布団をはぎとる。こうすれば再び眠りに落ちるのではないかと淡い期待をしたが、そんなに簡単にはいかなかった。 仕方がないので部屋を出てキッチンに向かった。飲み物の１杯でも飲めば少しは寝やすくなるだろう。 食器棚から適当に出したグラスに水道水を勢いよく注ぐ。

「いいか、桜。年頃の娘が男を勘ちがいさせるようなマネはするな」 「先輩、勘ちがいってどういうことですか？」 「そ、その、なんだ、通い妻みたいな今の関係の事だ！」 「通い妻っ······そ、そういう風に見えるかもしれませんがっ、えっと、私、勘ちがいされても困りませんっ！」 「おっと、そう来ちゃう·····

その日、令嬢エカテリーナは運命に出会った。 　 「大丈夫か？　……よかった、間に合ったんだな」 　 　黒と白の双剣を握る男。あまりにも無骨で、あまりにも優しい声色で、あまりにもかっこよく、あまりにも最高な英雄。令嬢エカテリーナは自覚しないまま、その男に一目惚れをした。

少女を初めて見たとき。感じたのは困惑だった。白髪の髪に朱色の目。浮世離れしていた姿。その発言の意図を理解することができなかった。 　 　少女を二度目に見たとき。感じたのは恐怖だった。巨大な戦士を後ろに控えた姿は、足がすくむほどに恐ろしかった。 　 　少女を三度目に見たとき。唯、無邪気だと思った。

任務を終えて報告の為、廊下を歩いていると、数少ない同級生が前を歩くのが見える。 どうやら彼はこれから厨房へ行くようだった。 俺より小柄のくせに、その実力はこちら以上の彼の背に声をかけた。 丁度いい、出先でもらったこれを使って貰おう。 「衛宮。」 「ん、何だ七海か。」 同級生、衛宮士郎が足を止めてこちらに振り向いた。

死んだと思ったら何故か時が巻き戻っていた。 　桜に殺されたはずが、目を開けたら幼い桜が心配そうに覗き込んでいた時の僕の恐慌ぶりを考えて欲しい。誰に言ってるのかわからないけれど。 　僕の恐慌ぶりに怯える桜と、その桜にひたすら怯える僕という状態を、強制的に僕を気絶させて終わらせたのはおじい様だった。

「シロウ。マカロンが食べたいです」 　休日の昼下がり。まだ春が遠い二月の終わり。チラホラと勢いを増す花粉の嵐に、世の中の人々が困る中、俺は蔵の中で一人、青いツナギ服に着替え、ガラクタを弄っていた。 　日課となっているセイバーとの剣稽古は朝に終わり、朝食の後は遠坂に魔術を教わる。それがいつの間にか、休日での過ごし方になっていた。

衛宮邸の道場に竹刀独特の心地良い打撃音が鳴り響く。　セイバーが衛宮家に来て以来こうして剣の稽古を行うことは衛宮士郎の日課となっている。もちろん剣の英霊であるセイバーに敵う筈もなく、毎日のようにボコボコに叩かれているのが現状だ。　「くっ…はぁっ！くそ！今日も完敗か‼︎」

少しだけ。ほんの少しだけ。 　本来有りうるべき道筋がねじ曲がり。 　正史から僅かに、しかし決定的に袂を分かつことになった。 　ただそれだけの、あるお話。 ある、月の綺麗な夜。 　闇夜に響いた少女の声。

海で囲まれた島国、日本は例年にない猛暑日を記録していた。 全国で900人を超える熱中症患者が病院に搬送される一方で、日本一暑い街を目指す地域すら存在する。 どうあがいても暑いのだから、いっそのこと売りに使おうという精神である。 ここ冬木市もその猛暑の例外に漏れない。