「渚カヲル(エヴァ)」のSS・二次小説まとめ15選！名作・人気作からおすすめ作品を厳選しました。

「渚君は優しいけど、感情のない優しさよ。
　それって冷酷なのと変わりない」
そう言い放たれたカヲルは３日経った今も、頭の中でその言葉が繰り返し再生された。
彼としては珍しく他人からの評価が離れず、寧ろ、胸にぐさりと突き刺さったまま痛みすら覚える。

人類は、ある日突然、巨大な生命体［使徒］との戦いを経験することになった。
その生命体はATフィールドと呼ばれる特殊な力場を持ち、通常の兵器では傷一つつかない防御力を持っていた。
街一つを巨大なクレーターとする程の特殊爆弾、通称Ｎ２爆弾ですら、表皮にしかダメージを負わせる事が出来なかった。

渚カヲルは人間ではありません。エヴァンゲリオン新劇場版・破で、渚カヲルは空気のない月面で９個あるうちの５番目の棺から蘇りました。左隣りの４つの棺は開いているため、渚カヲルの右隣りの４つの棺は閉じているので、棺の中で別の渚カヲルが４体眠っているのでしょう。

「このクラスに転校する、渚カヲルです。どうぞ皆さんよろしくお願いします」
そう言って彼は微笑んだ。
「げぇっ、コイツ術式ないんだけど、このナリで天与呪縛なワケ？」
「こら、悟。確かに貧弱そうな体だけど正直に言ったら相手に失礼だろう」
「この笑顔で女を落としてきたんだろうな…」
「女性を落下させる趣味はないよ？」

春が過ぎ夏が過ぎ、九月は十月になった。冷たく、ひっそりとした秋風が落ち続ける木々の葉を鳴らすその上で、澄み渡った青空が広く高く広がっている。眼前には紅、黄金色、橙といった暖色系を装った山々の下で広がる黄金色のススキ野原。

カヲル「というわけで双六だよ、シンジ君」
シンジ「双六懐かしいやぁー」
アスカ「えー！双六ぅ？そんなつまんない日本の古い遊びなんかしないわよ」
マリ「姫はわかってないなぁ―、双六の面白さを。しかもこれホモくんが作った双六だよ？マスにほら、面白そうな指令がいっぱいだよ！」
カヲル「ホモじゃないよ、ただシンジくんが好きなだけさ」
レイ「ｼﾞｰｯ……　碇くんに膝枕してもらう……？　好きな人にハグをする……？」

……碇シンジと式波・アスカ・ラングレーは、リビングの床に寝そべって、冷房を全身に浴びている。

　

外からは、雨の音が聴こえていた。

　

「ど～してこう日本は湿度が高いのよ……！暑くて暑くて仕方ないわ」

　

アスカのいつもの愚痴にも、今日は何だか力がない。それはシンジも同様で、アスカの言葉に力なく返事をする。

シンジ「おはよう！カヲル君！」
カヲル「……」
シンジ（あれ、聞こえてなかったのかな…もう一度言ってみよう）
シンジ「おはよう！カヲル君！」
カヲル「おはよう、ファースト」ﾆｺｯ
レイ「おはよう」
カヲル「おはよう、セカンド」ﾆｺｯ
アスカ「げっ！ナルシスホ　！」
シンジ「！？」

カヲル「……」ｷｮﾛｷｮﾛ
シンジ「あ、カヲル君！　こっちこっち～」
カヲル「やあ。すまない、待たせてしまったかい？」ｽﾀｽﾀ
シンジ「ううん、僕もちょうど今来たとこだから。久しぶり」
カヲル「そう、よかった。久しぶりシンジ君。相変わらず変わらないね君は」
シンジ「それって褒めてるの？」

綾波レイは簡素なパイプ椅子に腰かけていた。
そこは様々な品物が雑然と置かれた部屋。部屋の真ん中には幾つもの段ボール箱が積み重ねられ、段ボール箱の中にも色々なものが無造作に突っ込まれ、その上にはブルーシートが被せられている。
まるで、祭りの後のような。全てが終わり、片付けも概ね済み、後は撤収されるのを待つだけの荷物たち。
その中に、綾波レイも居た。

まだ蒸し暑さの残る、9月のこの時期。
体育館の窓は全て開け放たれているが、全校生徒が集まっている為、人の熱気がこもりかえって蒸し暑い。
髪が首筋に張り付いて気持ち悪くなったのか、カヲルはくしゃりと、癖のある銀髪をかきあげた。
『ヒトより』あまり汗をかかない質だが、流石に全くかかない訳ではない。
鬱陶しさを感じながら、どこか上の空で先生の話を聞いていた。

彼との出会いは僕の人生で3番目に大きな衝撃を与えた出来事だった。
それは中学３年生の秋の頃、早朝の海浜公園でもう日課となっていたランニングをしていたときの事。
「やぁ、こんな時間に何をしてるんだい？」
「はぇ？！」
突如声を掛けられた僕は凄く間抜けな声をあげてしまった。
「フフフ、ごめん。驚かせたかな？」
「え、ぁ、い、いえ。此方こそ変な声を出してすみません」

秘めた想いは波打ち際へ
「お待たせしてごめんね」
そう言って控室に入って来たのは昔から私のメイクを担当している人。
「いえ、こちらこそ、毎回呼び出してしまってすいません」
「そんなことないよ、ゼーレのトップアイドルにご指名頂くなんて光栄さ」
その眩しい微笑みが今の私がここにいる理由。

ミサト｢ハイハイ～渚さんちの家庭事情、二人に幸せを シリーズ、カヲレイ編第一部完結記念！ざだぁんかい～っ！ちなみに高校生バージョンの皆さんにお出ましいただきました、皆可愛いわね～｣
旧劇カヲル｢可愛いはともかく、第一部完結おめでとう｣
貞本カヲル｢はいはい、おめでとうおめでとう｣
エヴァ2カヲル｢·····おめでとう｣
新劇カヲル｢あ、ありがとうございます·····｣
ミサト｢あらあら赤くなっちゃって可愛い～レイと懇ろになった気分は？｣

荒廃した町、かつて僕が守った町、人、あの笑顔。
守りたかったものは今はもうここにない。
ー全部、僕が壊した。
だれ？
ー君が壊したんだ。
心の中で誰かが僕を責め立てる。
ーあんたなんか大ッッｯキライ！
そうやって、皆して僕ばっかり責めないでよ。僕は乗りたくて乗ったわけしゃないのに。
そうだ、悪いのは父さんだ。こんなことになったのは。